生きてみたいって思いたいし、おいしいものはおいしい

どうでもいいことも言葉にしてみたら楽しいかも

弟の名前

私は弟のことを名前をもじったニックネームで呼んでいる。きっかけは覚えていないが、保育園のころにはそう呼んでいたから、ニックネーム歴は20年以上だ。

余りにその呼び方に慣れ過ぎていて、友人の前でもつい呼んでしまい、結果友人も弟のことをニックネームで呼んでいたりする。

弟がどう思っているか知らないが、私はその呼び名を気に入っていて、呼ぶことを楽しんでいる節がある。とっくに成人したいい大人がそう呼んでいるのは傍から見たら割と変だよなと思う。もっと歳を重ねて老いてもそう呼ぶのだろうか。弟が崖から落ちそうなピンチの時も手を離すな!とそのニックネームを叫ぶのだろうか。私が敵にやられて動けずにいる時、突如ヒーローのように現れた弟にも「〇…〇〇…なんでここに…」みたいな感じで呟くのだろうか。死に際に家族への想いを巡らせる時もその一風変わった名を呼ぶのだろうか。

そう考えると(?)ただのニックネームも私と弟が兄弟である証のように思える。合言葉にしてもいいかもしれない。

 

弟に限らず、ニックネームはその人との繋がりを表す面白い表現方法だと思う。もちろん、悪意があるものや相手が嫌な思いをするものは論外だけど。小学生の頃は何かにつけて「〇〇っちょ」「〇〇っち」「〇〇ぴー」「〇〇たん」とニックネームを量産していた。私は名前をそのまま呼ばれることがほとんどで、密かにニックネームに憧れていたものだ。ニックネームには関係性とその時を一緒に過ごした思い出が詰まっていて、なんだか特別感がある。

大人になってから友人をニックネームで呼ぶことは少なくなったが、その呼び名だけで思い出がよみがえる気がして懐かしい。

 

弟のニックネームはあまりに長く呼んでいるので特別感はないけど、他の人にはないものと考えたらちょっと面白い。名前よりしっくりくるし愛着がある。

変わった兄弟と思われても、もう呼ぶなと言われても、崖から落ちそうな時も、おっさんになっても呼んでやろうと思う。

呆けたらニックネームより先に名前を忘れちゃいそうだな。