生きてみたいって思いたいし、おいしいものはおいしい

どうでもいいことも言葉にしてみたら楽しいかも

私と弟のウサギ

ウサギを飼っていたことがある。

オスとメスの2羽を父の知り合いから譲り受けた。私と弟で1羽ずつお世話を分担することになり、茶色毛のメスを私が、白毛に黒斑点のオスを弟が中心となって世話をした。メスには「ミッフィー」オスには「うさじろう」と名付けた。

ミッフィーは好奇心旺盛で、よく動きよく食べた。体もどんどん大きくなっていった。

うさじろうはおとなしい性格で、ミッフィーに比べると食べる量は少なかった。

よく食べて落ち着きのない私と、小柄で無口な弟に似ているねと話した。

水をあげたり小屋や糞を掃除したり、初めての動物の世話は発見が多くて面白い。自分に似た雰囲気を感じるウサギたちに愛着がわいて、いつも可愛がった。

そのうち、実家を建て直すことになり家族は仮住まいの家に引っ越すことになった。ウサギを飼えるスペースが無くなってしまうのでウサギを譲ってくれた知り合いに返さなければいけない。元々その予定で預かっていたので分かっていたが、やっぱり寂しい気持ちだった。

知り合いの人がミッフィーとうさじろうを迎えにきた。

小屋を開けミッフィーを抱き上げてそのおじさんが言った。

「よし、こいつがオスやな〜」

 

ミッフィーはオスだった。

ミッフィーはまだいい。ネーミング許容範囲だ。

うさじろう、メスだった。

うさじろう。

ごめん。